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池下助手,津野教授の研究グループの論文が英国王立化学会 Chemical Communications のBack coverに選出されました

2022-07-06ホットニュース

ChemComm Back Cover

ChemComm Back Cover

本学科の池下助手,津野教授ならびに今井准教授(近畿大学)の共同研究成果の論文が英国王立化学会 Chemical Communications のBack coverに選出されました。
らせん状に回転しながら伝搬する偏光を円偏光と呼びます。近年、分子が右回転または左回転のどちらかに偏った光を過剰に発する現象である円偏光発光(CPL: Circularly Polarized Luminescence)に注目が集まっており、三次元ディスプレイや光暗号通信などへの応用に期待が高まっています。しかしながら、分子が発する円偏光の特性(回転方向や強度)と分子構造との相関関係はこれまでによくわかっておらず、合理的なCPL材料の設計指針の確立が求められている状況でした。
本論文では、高い蛍光発光能を有する新たな亜鉛錯体を設計・合成し、それらの発光およびCPL特性について検討しました。その結果、錯体を有機溶媒に溶解させた溶液状態では左回転のCPLを示す一方で、結晶を臭化カリウム(KBr)に分散させたペレット状態では右回転のCPLを示すという外部環境に依存したCPLスイッチングを達成しました。今回の研究は、CPL材料に新しい分子モチーフを提案すると同時に、分子の構造とCPL特性の関係性の理解に向けて重要な知見を提供するものであります。将来的には、円偏光有機ELなどの開発や、それに続く円偏光発光を利用した次世代型光デバイスの創出が期待できます。