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池下助教,津野教授の研究グループの論文が国際学術誌 Chemistry – An Asian JournalのFront coverに選出されました

2024-03-05ホットニュース

本学科 池下助教, 津野教授ならびに今井喜胤教授(近畿大学)らの共同研究成果がChemistry – An Asian Journal誌に掲載され、Front coverに選出されました。本研究成果は、津野研究室所属の渡邉伸安さん(M2)が精力的に取り組んだ結果となります。
近年、有機EL材料の開発が世界中で盛んに行われており、我々の身近なテレビ・iPhone・携帯ゲーム機などのディスプレイとして既に実用化が始まっています。有機ELでは発光層として、文字通り有機化合物が使用されており、従来の無機系材料と比較して非常に柔らかい等の利点があります。さらに近年では、らせん状に回転する光を発する円偏光発光(CPL: Circularly Polarized Luminescence)材料を活用した円偏光有機ELの開発にも注目が集まっており、よりエネルギー変換効率の高いCPL材料の開発が求められています。
本論文では、らせん状の分子骨格を有するホウ素錯体を新たに設計・合成し、それらの発光・CPL特性について検討しました。その結果、有機溶媒に溶解させた溶液状態および臭化カリウム(KBr)に分散させたペレット状態において、高効率なCPLを示すことを見出しました。さらに、分子のらせん反転挙動に関して詳細な検討を行い、分子の固定化に基づくCPL強度の増幅にも成功しました。今回の研究は、高効率なCPL材料を設計する上での分子設計指針を示すと同時に、分子の動きとCPL特性の関係性の理解に向けて重要な知見を提供するものであります。将来的には、円偏光有機ELを用いた三次元ディスプレイや、CPLを活用した生体イメージングやセンサー材料などの開発に寄与すると考えられます。

論文URL: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/asia.202301024

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