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ノーベル賞を受賞したMOFの連続合成技術の開発に向けた取組み

2025-10-13ホットニュース

2025年のノーベル化学賞は「金属有機構造体(Metal Organic Framework : MOF)」という新規材料の発見と合成に尽力された北川先生,Yaghi先生,Robson先生の3人の先生方が受賞された。MOFは金属を有機分子(有機リンカー)が橋渡しすることで構成され,金属元素と有機分子の組み合わせにより様々な構造や特性をデザインすることが可能な材料である(図参照)。現在,目的に合わせたチューニングを施したMOFの開発ならびに特性評価が進められており,気体の吸着分離材や触媒などへの応用が検討されている。
私自身も生産工学部海外派遣研究員として1年間(2012-2013年)派遣されたポルト大学のRodrigues先生の元で「MOFを吸着材としたPSA(Pressure Swing Adsorption)を用いた低級炭化水素の分離技術の開発」に取り組み,その材料としての面白さと可能性に魅かれる1年を過ごした。そして帰国してからもMOFの工学的利用(応用)にむけた研究に取り組んでいる。近年は特にMOFを工学的に利用するうえで不可欠な連続合成技術の確立を狙った研究を進めている。また,科研費の採択(22K12476)を受け,微細気泡表面という特殊な反応場を利活用した新規なMOF合成手法の開発にも取り組んでいる。
ノーベル賞の対象となったMOFの可能性を感じながら,その利用に向けた技術開発に一緒に取り組んでみませんか?
(文責:岡田昌樹)