池下講師,津野教授らの論文が国際学術誌 Inorganic Chemistry誌のSupplementary coverに選出されました
2025-12-31ホットニュース
本学科 池下講師、津野教授、今井喜胤教授(近畿大学)らの共同研究成果がアメリカ化学会の発刊するInorganic Chemistry誌に掲載され、掲載誌のSupplementary coverに選出されました。本研究成果は、津野・池下研究室所属の黒崎智弘さん(M2)が精力的に取り組んだ結果となります。
研究概要
円偏光発光(CPL: Circularly Polarized Luminescence)は、キラルな発光材料から放出される光が右回りまたは左回りに偏る現象であり、通常の発光では得られない光学情報を利用できることから、3次元ディスプレイや光暗号通信、バイオイメージングなどへの応用が期待されています。近年では、分子のわずかな構造変化や分子間相互作用を利用して、CPLの発現や回転方向を自在に制御する技術の開発が注目を集めています。
本論文では、水素結合部位を有する新規ホウ素含有化合物を設計・合成し、有機塩との共結晶化によるCPL特性の制御を検討しました。その結果、化合物単独の結晶では右巻きのCPLが観測されるのに対し、有機塩との共結晶では分子構造が異なる異性体として固定化され、逆回転の左巻きCPLが発現することを見いだしました。また、共結晶化によって発光効率が3倍以上向上することも明らかとなりました。
本研究は、水素結合を利用した超分子化学的手法によって発光特性やキラル光学特性を制御できることを示したものであり、次世代ディスプレイや光情報技術に向けた高機能キラル発光材料の開発につながることが期待されます。